◆◆◆ イベント内容報告◆◆◆
新川さんより報告 四月ニ六日、「養育費実態調査報告シンポジウム」が青山のウィメンズ・プラザに て開催されました。当日は、初夏のような暑さで、会場にはシングルマザー以外に支 援者やマスコミの方、男性などの姿も多く見受けられました。

 第一部では、養育費実態調査報告を新川から。離別時の養育費の取り決めは、八割 以上の方が何らかの形で取り決めをしています。しかし、養育費の支払いは約束した 日にきちんと受け取っている家庭が三割にも満たないというのが現状でした。『子供 達の権利であるはずの養育費』がなぜこのような状況なのでしょうか。
 これには調停委員などサポートする人の「ないところからはとれない」「弁護士費 用を考えれば逆に高くつく」などの消極的なアドバイスによる泣き寝入り状態であっ たり、親権との引き換えに養育費を断念するケースが後を絶たないようです。この現 状を打破するため、新川よりウィンク一○年計画が発表されました。
 まずファーストステージの二年間に問題意識を支援者に認識してもらう啓発活動。 セカンドステージの二年間で「養育費をもらって当たり前」という意識を持ってもら う当事者への啓発活動。サードステージの三年間で、養育費の義務を認めさせる社会 への啓発活動。そしてラストステージの三年間で支払わない親の啓発活動に力を注い でいく。法律改正よりも、まず国全体が養育費問題について関心を持ち、子供の権利 として守ってあげるべきだと新川は掲げます。十年計画が終了するラストステージ、 新川の長男は十八歳。「一○年後、息子がこのステージで修復された親子関係につい て発言できると嬉しい」その姿に共感せずにはいられませんでした。

 次に、ウィンク会員・K.Kさんから「養育費は離れて暮らす親の義務」の講演が行 なわれました。三人のお子さんを持つK.Kさんは、夫の浮気・借金に苦しみ精神的に 追いつめられ、子供にあたってしまう辛い日々を送っていたそうです。
 K.Kさんも、公証人からの一方的な言い分や、金取り主義の弁護士に辟易した一人 です。資格の学校へ通い、簿記三級を取得後会計事務所へ就職した彼女は、今はお子 さん達と共に元気良く仕事をこなす毎日。当事者の意見として「親としての負債と考 えてでも、養育費は払って欲しい」と切実に訴えていました。
 また、支援者からの意見も一方的な決め付けだけでなく、当事者が選べるアドバイ ス方法を提示してほしいとK.Kさんは述べていましたが、これはシングルマザー全員 の願いでもあるんじゃないでしょうか。
パネルディスカッション

 第二部は、弁護士の榊原富士子先生、しんぐるまざぁずふぉーらむ理事赤石千衣子 さん、ファザーズウェブサイト田中秀明さん、ウィンク主席カウンセラーの青井を交 えてのパネルディスカッション---
 ここでは、養育費を払っているのに子どもに会えない田中さんの心情、養育費の取 り立てに関する法改正、支援者の心得などについて話し合われました。
 榊原先生からは「病院で納得のいく診断をもらえない時別の医者を訪ねるように、 弁護士でも自分の味方と思えない時はセカンドオピニオンが必要」とのアドバイス が。また、調停委員や弁護士などがもっと養育費に対して問題意識を持ち多くの情報 を得るべきだとの声も上がっていました。
 さらに、離婚者をカウンセリングする場所が日本にはまだまだ不足なため、面接交 渉に行く前にどうしても親だけの感情で取り決めをしてしまうケースが多い。集団カ ウンセリングの場を多く設定し、双方共に冷静な気持ちで養育費問題に取り組めば子 供にとって一番ベストな結果が得られるのではという声も上がりました。

 養育費はあきらめずに守るもの。ここから動き出した新しい未来を確実にするた め、シングルマザー達に勇気を持って前に進んで欲しい。そんなメッセージの込めら れたシンポジウムでした。(大保)
パネラー パネラー 青井海さん