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 喜久屋就労支援経過報告

2003年4月。
NPO法人Winkの、「ひとり親家庭のための就労支援事業」がスタートしました。

 提携企業としてまず名乗りをあげたのは、首都圏に210店舗のクリーニングチェーンを展開する株式会社喜久屋(東京都足立区)直営店10店のうち3店で、シングルマザーとオーナー契約を結んでいます(2003年12月時点)。営業権利渡金の免除、保証金の分割支払いなど、金銭面で優遇する他、年収300万円(平均月収25万円)を最低保障。店内にはキッズルームを設置。仕事中は、ここで自分の子供を遊ばせることが可能です。さらには保育園との提携、住居探しのサポートといったことも。同社ではこの支援策を、「シングルマザー就労支援プログラム」として積極的に展開しています。

 正直、この事業は企業にとってリスクがないわけではありません。
それでも、喜久屋があえて始めた理由。それは、一つに、クリーニング業界の競争激化から進む淘汰が背景にあります。
 社長の中畠信一氏は、他店との差別化として、オーナーの年齢を従来の40代〜50代から、主要顧客層の30代〜40代前半くらいまで若返えらせることを考えていました。そして、2002年の冬。友人から紹介されたのがWinkでした。
 この時、中畠氏はこう確信したそうです。
 「シングルマザーの平均年齢は30歳〜40歳と顧客層と合う。感性やライフスタイルが似ている分、お客様の細かいニーズにも応えられる。何より、家族を養っているので責任感が強い。これは接客態度や売上に反映されるはず」
 
 スタート当時は、今までにない支援スタイルが、すぐにマスコミから注目を集めました。現在、東京は上野・稲荷店のオーナーを務める菊島 香(かおり)さんも、新聞記事をきっかけに応募した1人です。

 菊島さんは、小学1年生の女の子と、3歳の男の子との3人家族。以前は、仕出し弁当の工場で週6日、早朝3時〜7時まで、ご飯炊きのパートをしていました。時給は900円。
新聞で喜久屋の支援事業を知ったのは、ちょうど離婚を決めて、フルタイムで働ける就職先を探し始めた頃でした。
 菊島さんが応募した理由、それは「子供をそばに置けること」でした。

 面接と、直営店で3日間の適性審査をクリアし、2003年5月より勤務スタート。住居は、お店から徒歩5分。長男が通う保育園へのお迎えは、近所に住む喜久屋の元従業員に依託。長女は学童保育の後、「ただいま〜」と店に”帰る”のが日課です。その後は、キッズルームで閉店まで。夜9時頃に3人そろって帰宅する、というのが1日の流れです。
「一番、助かるのは子供が熱を出した時。キッズルームで寝かせられるので、仕事を休まなくてすむんです。一般の会社だとこうはいかないですから」

 オーナーを任されて半年以上。最初はクレームも多く、とまどいと失敗の連続でしたが、近頃ではお客様に合わせた気配りが自然にできるようになったそうです。
「大半がサラリーマンの常連客ですが、衣類に思い入れのあるお客様は少なくなくて。”ボタンをアルミでくるんで”という注文もよくあります。そんな方には、私からお伺いを立てるようにしています」
 中畠氏も「効果は出ていますよ。売上を伸ばした分、収入が増えるのもやる気を起こさせるのでは」とまずまずの感想。
 
 ただ、ここにきて問題も浮上してきました。子供のことです。
 「十分に理解をしているつもり」という中畠氏自身も、支援事業を進めていくうちに、子育て中の母親を雇用することの難しさを実感していると言います。
子供が病気の時が困りますね。休まれると本部の社員が店に立つので、人件費がかさんでしまう。特に3歳以下の子供は頻繁に熱を出すし、手がかかる。近くに母親をサポートできる人が必要です。小学4年生以上ならなんとか大丈夫なんでしょうね。ただ、子供によって手のかかる度合いが違うので何とも言えないのですが…」
 もう一つ。保証金(50万円)の分割支払いについても、今後は「一括払い」にしたいというのが本音です。
「保証金とは本来、雇用主がオーナーから受け取る、将来への”保険”ですから」 これにはWink代表の新川てるえ氏も、
「覚悟を決めた人が50万円で起業するという、最初からの自立型を狙っている」と同意しています。
 ただし、現状は、採用した3人ともが分割支払い。今回、紹介した菊島さんも
「分割支払いだったから働く決心がついた」そうです。

 子育てと金銭面での問題は、ひとり親が働き続ける中で避けては通れない壁。今回の就労支援事業でもこの問題にぶつかったわけですが、
喜久屋では「あくまでも前向きに解決策を探っていきたい」としています。

 

株式会社喜久屋
企業名 株式会社 喜久屋
担当者氏名 代表取締役 中畠信一
連絡先 〒121-0064 東京都足立区保木間1−5−4
電話 03-3884-6883
Fax 03-3850-3132
ホームページ http://www.kikuya-cl.co.jp
担当者E-mail s.nakahata@kikuya-cl.co.jp
設立年月日 昭和31年5月1日
資本金 1,000万円
従業員数 280名
事業内容 クリーニング及び衣類リフォームのチェーン店展開
ひとことPR 株式会社喜久屋はNPO法人Winkのひとり親家庭支援に賛同し、自立と子育ての両立を実現した「店舗オーナー制度」を提供します。
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(株)喜久屋

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